僕は漂う。どこにも行こうとせず、風吹けば飛ばされ。
根を生やすことなく、上を目指して伸びるわけでもなく。周りに流されて生きているだけ
祖父母の家へ
お盆に祖父母の家に行った。墓参りをし、甲子園をテレビで見たり、近況を話した。
祖父は言った
僕が帰る間際に祖父は言った。
「2、3年後には死ぬけん。これからはお前たちの時代やぞ」
「父さんに孫を見せい。」
2,3年後に死ぬという言葉はリアリティーがあった。
祖父は年々痩せていっている。腰も曲がり、歩くスピードも遅くなっている。
祖父と卓球をして完敗したのは10年前か。祖父の身長を越したのもそのくらい。
納得と薄情
長生きしてほしいと思う反面、納得している自分がいた。
納得している自分に薄情者と感じてしまう。
墓守
「父さんに孫を見せい。」
祖父が墓参りに毎月、行っている。父は墓守を継ぐ。
たぶん僕か弟がその後を継ぐことになるのだろう。
墓参りをし、先祖が今まで代々続いてきたから今の自分がいることを確認する。
ありがたいと思うけど、山あり谷ありで、
素直にありがたいと思えない自分がいて。罰当たりだな。
結婚し子供を持ち育てることを願っている祖父母には申し訳ない。
子供を育てる自信がない。
僕は年齢的には大人だ、酒も飲める、投票権もある、働いている。
僕は僕のことを、大人という自覚がない。まだ子供のままだ。両親のもと住み、一人暮らしをしてない。
結婚は遠くにあるものだ。彼女いない。イケメンじゃない。コミュ障。
祖父母に「結婚しないとか、子供を育てる自信がない」など口が裂けても言えない。
僕は二つの言葉にただうなづいているだけだった。
ぼくは墓参りには行くよ。
自分がいることに、素直に感謝できるようになりたいと思ったお盆だった。