九州百名山に選ばれている野間岳に登ってきました。標高591mほどです。野間岳は8合目に野間神社があります。車で野間神社まで行くことは可能で、神社から登ると40分ほどで登れます。僕は楽をせず、登山口から山頂を目指しました。
野間岳の
登山コース
は3コースがあり、宮ノ山コース、太郎木場コース、片浦コースがあります。僕は今回、宮ノ山コースから登り、帰りは片浦コースを通り宮ノ山コースで帰りました。僕は「分県登山ガイド45 鹿児島県・沖縄県の山」をもとに登山ルートを決めています。本当は本に書いている通り、太郎木場コースも歩きたかったのですが、時間の問題で諦めました。
宮ノ山入口 皇孫瓊々杵尊御駐鼻の地 *鼻は馬辺に鼻
駐車場は車止めがあるわけではなく、広場のようになっています。目測ですが、車は20台ほど止められそうです。登山口から沖秋目島が見えました。
笠沙宮案内図
笠沙宮案内図
看板から引用宮ノ山由来
皇孫瓊々杵尊が宮居を定べき地を探し求めて吾田の長屋の笠沙の御前においでになり、塩土の翁から領有地の献上を受けられ「ここは韓国に向かい、朝日の直刺す国、夕日の火照る国なり、いとよきところ。」といたく気に入られ、ここに宮居を定められた神代笠沙宮の古址と伝えられています。
古事記・日本書紀によりますと、瓊瓊杵尊はある時に笠沙の御前で麗しき美人に出会い、その名をたずねると大山津見神の娘で神阿多都姫、またその名前を木花開耶姫といい、この姫を妃に迎えることになります。
やがて二人の間には三人の皇子が誕生し、長子は火照命といい隼人の阿多の祖となり、末子は火遠理命、またの名を天津火高日子穂穂手見命といい天皇家の祖となったと伝えられており、ここ宮ノ山は皇孫発祥の大ロマンの可能性を秘めた実に神聖で由緒ある地とされています。
階段を昇っていくと
宮ノ山遺跡
宮ノ山遺跡について 看板から引用
鳥居龍蔵博士の説によりますと、この辺一帯はその地形から見て安全地帯になっており、先住民族の群衆生活が営まれた形跡があり住居跡、ドルメン、積石塚からなる村落が形成されていたと思われています。
又、ここは山の上にあることから山の上の住まいを好む民族が住んでいたと思われています。この様に完全なものは全国に於いても極めて珍しく、笠沙地方が我が国文化の最も早く開けた地方であり、この遺跡は有史以前のもので日本に於いても最古の事蹟であると思われています。この中のドルメンは貴族の墳墓であり、宮居の跡として神聖化すべきところであります。
ドルメン
ドルメン 看板から引用
巨大な石を組み合わせて机型に構築した高貴な方や氏長の墳墓でテーブルストーンともいいます。
之は村落の氏長の墓と思われます。中からは死んだ人に供えたと思われる貝がら等が出土しています。
京塚
京塚 看板から引用
この辺一帯は、古くより京ノ塚と呼ばれる場所であり、「近古までは、樹木繁茂し、諸人おそれ行かざる所なり。」と伝えられ神聖視されてきました。
黒瀬落の長老の伝承せる俚謠に「朝日の本、夕日に影なし、ふっがでらの上、白砂の真砂、見ゆることあり」というのがあって朝日直刺、夕日日照の雲境を暗示するものがあります。
またここの頂上には眼下に太平洋を下瞰して遙か東方を拝んだと思われる禮拝所が遺っている実に神聖な箇所であります。
住居跡
住居跡 看板から引用
石を円く積んだ跡がありこれが二段、三段にもなっています。当時は三重の村落が形成されていたと推測され住居には、5~6人が住んでいたと思われています。
尚、ここは山地にあり、山の上の住まいを好む民族が住んでいたと思われています。
車道展望所から野間神社に行こうとしたが、地図を読み間違え、電波塔につく。地図を改めて読み間違いと気づき、戻る。
野間神社
野間神社(市指定) 看板から引用
野間神社は、『三國名勝圖會』(天保一四年(一八四三))に勸請年月詳ならず」と書かれており、いつ建てられたのかは不明です。
もとの神社は、野間岳の山頂にあり、東宮に瓊々杵尊、木花開耶姫を、西宮に火闌降命、彦火々出見尊、火明命をそれぞれ祭っていたといわれており、『加世田再撰帳』(天保一四年(一八四三))では、西宮に娘媽神女、千里眼、順風耳が祭ってあると書かれています。
西宮に祭られていた娘媽神女は、中国から伝わった航海の守護神ですが、現在は祭られていません。この神様が祭られていたことなどから、今でも野間神社は、船乗りや漁業関係者の信仰を集め、今日に至っています。
山頂にあった神社は、たびたびの台風で倒壊したので、文政一三年(一八三〇)に現在の地に建立されました。
ここの正祭は、毎年旧暦の一月九日から二十に行われ、島津忠良が厚く崇拝したことから、往時は、島津藩主の代参があり賑わったといわれています。
現在は、毎年二月二十日に大祭が行われ、大勢の参拝者で賑わいを見せています。
南さつま市教育委員会
階段を昇っていくと