コロナウィルスの影響で鹿児島マラソン2020は中止となった。僕は開催予定日に大会コース４２kmのうち約17kmを走った。2020年3月1日8時29分、鹿児島マラソンのスタートラインであるドルフィンポート前の歩道に立っていた。歩道には市民ランナーが３０人ほどが集まり、記念撮影をしていた。輪の中に入ったほうがノリとしてはいいのだろう。僕は人見知り、早く秒針は進まないかと焦りがありiPhone7に入ってあるadidas アプリをただ睨んでいた。
８時３０分になり、皆さんと一斉にスタートした。adidasアプリのスタートボタンを押した。
- 鹿児島マラソン2020開催中止について
- ３月１日(日)の鹿児島マラソン２０２０の開催を中止することといたします。
- 鹿児島マラソン2020中止に伴うランナーの皆様への今後の対応について
- 僕は決めた。大会が行われる予定であった３月１日、ドルフィンポート前から勝手に鹿児島マラソン走ろう。
- 当日がくる。
- 結果は約17キロを1時間40分台で完走
- 最後に
2月20日に悪魔の報告があった。鹿児島マラソン2020の公式ホームページで中止が発表された。新型コロナウィルスのせいだ。やっぱりそうなったかというのが僕の感情だ。
鹿児島マラソン2020開催中止について
鹿児島マラソン公式ホームページ お知らせ：鹿児島マラソン2020開催中止について
2020年02月20日
これまで、新型コロナウイルス感染症の予防策などを講じ開催する予定としておりましたが、参加されるランナー、鹿児島マラソンを運営するスタッフ、ボランティア等、また沿道で応援される市民の皆様方の安心・安全を最優先するため、３月１日(日)の鹿児島マラソン２０２０の開催を中止することといたします。
また、鹿児島マラソン２０２０に関連するイベントも合わせて中止します。
なお、中止に伴う今後の対応につきましては、現在検討中
であり、近日中に大会公式ホームページなどでお知らせいたします。
https://www.kagoshima-marathon.jp/news/2020/02/post-406.html より引用 (最終閲覧日2020/02/27)
東京マラソンが一般の市民ランナーが走れなくなったというニュースを聞いて、鹿児島もそうなるだろうと覚悟していた。
鹿児島マラソンを今節の集大成だと思いトレーニングに励んでいた。
今までの練習の成果を本番で出せないことにたいしてやるせない気持ちだ。大会本番まで2週間を切っており練習量を減らし、疲れを抜こうとしていた時期の話であったため、モチベーションがガクッと落ちた。
日ごろの習慣で中止が発表された当日も鹿児島の街を走りました。いつもは21時～22時頃はランナーが2、3人ほどすれ違うのですが、その時はランナーに会わなかったです。
鹿児島マラソン2020中止に伴うランナーの皆様への今後の対応について
鹿児島マラソン公式ホームページ お知らせ：鹿児島マラソン中止に伴うランナーの皆様への今後の対応について
2020年2月25日
先日お知らせいたしましたとおり、令和2年3月1日（日）に開催を予定していました「鹿児島マラソン２０２０」は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、参加されるランナーや運営スタッフ、ボランティア等、また沿道で応援される市民の皆様方の安心・安全を最優先するため、苦渋の決断ではございましたが、中止といたしました。参加を予定されていたランナーの皆様方には、次のとおりの対応といたしますので、ご理解いただきますようお願いいたします。
（１）参加料（手数料含む。）の取扱いについて
募集要項の規定によりまして、返金はいたしません。
（募集要項：抜粋）
地震・風水害・荒天・積雪・事件・事故・疫病等、主催者の責によらない事由で
大会が中止となった場合、参加料・手数料の返金は一切行いません。
※返金の可能性も検討いたしましたが、今大会の開催に向け、既に多くの物品購入や
業務発注を行っていることもあり、今回は返金しない対応といたします。
（２）参加賞等の取扱いについて
今回大会に参加予定であったランナーの皆様方全員に、準備が整い次第、参加賞等を
順次送付いたします。
（参加賞等）
オリジナルＴシャツ・出走記念タオル（フルマラソン参加者のみ）・ナンバーカード
大会プログラム等※今回の完走メダルにつきましては、次回大会での完走の際に、合わせて贈呈する
予定としております。
（３）次回大会への優先枠の設定について
今回大会に参加予定であったランナーの皆様方全員に、次回大会において、優先して申し込める機会を設けます（抽選なしで出走可能）。ただし、参加料は必要となります。
次回大会のエントリー方法など詳細につきましては、あらためて大会ホームページ等でお知らせいたします。
※なお、中国在住の参加ランナーの皆様に自粛要請を行った際、次回大会に無償で参加できる取扱いとすることとしておりましたが、大会を中止としたため、対応について、あらためて検討を行い、参加料を必要とすることと変更いたします。
https://www.kagoshima-marathon.jp/news/2020/02/post-411.html より引用（最終閲覧日2020/02/27)
僕は決めた。大会が行われる予定であった３月１日、ドルフィンポート前から勝手に鹿児島マラソン走ろう。
「勝手に鹿児島マラソン2020」と銘打って、参加者一人でマラソンコースを走る。ゴールする
コロナウィルスがいつ収束するか誰にも分からない。ましてランニング大会がいつまで中止になるかもわからない。このままふて腐れていても、仕事ではミス続き。走らないから体力は落ち、また走ろうと思っても体がついていかなくなり、僕のマラソン熱が凍結しかねない。体にも、心にも喝を入れるには当日走るしかない。僕は決めた。
道は以前も走ったことがあるので、迷うことはない。
問題は１０号線。
歩道と車道が分けられていない道路があり、交通量が多い。信号機は少なく、車はいつも飛ばしている。
路肩を走ることも考えたが、安全第一。google earthで１０号線の歩道の場所を確認し、仙厳園まではあることを知る。
マラソンコースを決めた。
公式ルートはドルフィンポート前をスタートし、鴨池、市電道路沿い、天文館、１０号線でひたすら姶良まで走り、折り返して鹿児島市役所でゴールする。42.195キロ。
今回の僕の勝手に鹿児島マラソン２０２０は１０号線で仙厳園まで走り、そこで折り返して鹿児島市役所でゴールするというルートだ。約17キロ。
交通規則を守る
マラソン大会は交通規制を行っており車道を走ることができる。しかし、今回は勝手に走るので、交通規則を守って走る。信号無視は言語道断。
当日がくる。
天気は曇り。風はなし。湿度はそこそこある。雨にならないよう祈る。冒頭で書いたがドルフィンポートには30名ほどの市民ランナーが集まていた。和気あいあいと写真撮影をしていた。
市民ランナーがあの靴を履いていた。緑とオレンジのコントラスト。ヒールの厚底。そう。ズームXヴェイパーフライネクストパーセント(nike zoom X vapor fly next ％) だ。テレビで見るより厚底であった。
「一度履いてみたい。走ってみたい。でも僕じゃ役不足なんだろうな。フォアフットじゃないとダメなんだろうな」と妄想し、眺めていた。
8時30分ドルフィンポート前をスタート
市民ランナー「きばっど」という掛け声でみなさんスタートする。小さな港で鶏が数羽歩いていた。桜島は雲で隠れている。
スタートから１キロは約６分３０秒でスローな立ち上がり。
２キロ目になると信号が少なくランナーそれぞれのペースで走っていく。僕は集団で走ることが苦手なので、信号を渡り一人でペースを刻んでいく。
鴨池の陸上競技所を抜け、市電道路沿いを走る。
思ったより、信号で止まることがなかった。マラソンの下見で４，５回走ったことがあるが、何回も信号でとまり自分のペースで走れず、もやもやしているところだが、今日は運がよかった。
高見馬場から天文館、金生町とアーケードを走る。
日曜日の早い時間とあり、人影はまばら。走るスピードは落とすも、気持ちよく走れた。過去の大会でのアーケードでのたくさんの応援をいただき、いつもは車が行きかう場所を颯爽と走れる楽しさを思い出した。
ランナーあるある。抜かれると頑張って追いつこうとする。
天文館を走っている最中、自転車の女性に追い抜かれた。僕の中でスイッチが入った。なんとかついていこうと思い、スピードを上げる。ついていこうと考えているあまり、金生町から西郷さんの銅像に向かって左折するところを間違えて通り過ぎてしまい、慌ててきた道を戻る。
西郷さん。
１０号線へとでる。
鶴丸城、御楼門
いつの間にか門の全体像が見えてきている。今まで門はカバーで覆われていて、建設状況が見えていなかったが、カバーがはずれ、完成が楽しみだ。
鳥越トンネルをくぐり、磯海水浴場前
菜の花が咲いている。
折り返し地点の仙厳園
市役所ゴールする。
結果は約17キロを1時間40分台で完走
最後に
１７キロほぼ練習なしで、完走することができ良かった。ただ、練習しなかったことで、筋力が落ちていて、１０キロ以降スピードが落ちていた。
勝手に鹿児島マラソン２０２０、自分で走るモチベーションを何とか上げるために銘うったが、完走の達成感があった。
達成感を味わいたいから、走ることを再確認することができ良かった。勝手に鹿児島マラソン２０２０の前までは、走るモチベーションがぐらつきコカ・コーラ1.5リットルを2日で飲み干し、ポテチをバカ食いするなど食生活が荒れ、体重が増えるなどあった。
しかし、完走後、数時間たった今、コロナで次に走る大会が中止になろうが、来年には公式の鹿児島マラソンが待っているから走ろうとポジティブな気持ちへと変わっていた。(完走後、録画していた東京マラソンを見て、大迫傑選手の日本記録更新にうるっと来たのも含まれている)
コロナウィルス、さっさと日本から消えてしまえ。
